京都府中丹広域振興局主催 研究成果の報告会で木村ゼミの学生が発表を行いました

2026.04.30

2026年4月28日(火)、福知山公立大学2号館コラボスペースにて、京都府中丹広域振興局と福知山公立大学が共同で実施している「中丹地域におけるUターン者数等の分析研究」の成果報告会を開催しました。

本報告会では、地域経営学部・木村ゼミの学生が、大学生アンケート調査および中丹地域へのUターン者を対象としたインタビュー調査の結果を報告しました。発表は、一色紗那さん、伊藤海翔さん、岡田愛美さん、奥村理子さん、田村洋平さんが行いました。

本研究は、中丹地域における若者の地元定着・還流の実態を明らかにし、Uターン促進に向けた施策の方向性を検討することを目的としたものです。大学生517名を対象とした意識調査では、就職先を選ぶ際、学生は「どこで働くか」よりも「どのように働くか」を重視する傾向がある一方で、実際には勤務地も最終的な意思決定において重要な判断材料となることが示されました。

また、中丹地域へのUターン経験者17名を対象としたインタビュー調査では、Uターンは一度の意思決定によって生じるものではなく、進学や就職、転職、家族に関する要因、ライフステージの変化など、複数の段階を経て形成されるプロセスであることが報告されました。

発表では、Uターン促進に向けて「地元に戻りたい」という意思をつくることだけでなく、その意思を実現できるよう、地元企業の情報や地域でのキャリア形成の可能性を継続的に可視化していくことの重要性が示されました。特に、学生や若者のライフステージに応じた情報提供、地元企業との接点づくり、地域で働く具体的なイメージの形成が、今後の施策展開において重要であると提案されました。

会場には京都府職員や京都府内自治体職員が参加し、学生の報告に熱心に耳を傾けました。昨年度に引き続き、行政と大学が連携し、地域課題の解決に向けて調査研究を進める機会となりました。


 

【学生のコメント】

岡田愛美さん
この研究に参加させていただき、私自身これから就職活動に本格的に取り組む時期にあって、多くの気づきがありました。私は地元に戻りたいと考えている学生の一人ですが、魅力的な情報によって気持ちが動くというよりも、地元に戻る際の不安や障害が解消されるような情報を求めています。新たに意思をつくるための情報ではなく、すでにある「地元に戻りたい」という意思を実現するために役立つ情報が重要であると感じました。

伊藤海翔さん
本研究を通して、若者に情報を提供する際の「伝え方」と「タイミング」の重要性を感じました。現在、多くの学生はマイナビなどの就職情報サイトを活用しており、それを変えるのは難しいと感じています。そのため、どのように情報を届けるか以上に、「いつ届けるか」が重要ではないかと考えました。例えば高校生や大学1〜2年生の段階で情報を提供することが有効だと思います。実際、周囲の学生を見ても、早い段階では就職について深く考えていないことが多く、だからこそ適切なタイミングで情報を提供することが重要だと感じました。

田村洋平さん
私は進学を機に地元を離れましたが、就職の際には地元に戻りたいと考えています。しかし、今回のインタビュー調査を通じて、必ずしも最初からUターンを考えていた人ばかりではないという点に驚きました。多くの人は、自ら積極的に地元の情報を探していたというよりも、偶然情報を目にしたことや、結果的に地元の就職先が良かったことをきっかけにUターンしていました。このことから、情報発信の量だけでなく、「どのように情報を届けられるか」が非常に重要であり、自然に情報に触れる機会があればUターンの可能性が高まるのではないかと感じました。

一色紗那さん
私の地元も若者流出が課題となっている地域であり、本研究には強い関心を持ちました。また、私自身も地元に戻りたいと考えているため、同じ大学生の意識を知ることができる点に興味を感じていました。インタビュー調査を通じて印象的だったのは、若者のUターンを促す施策を考える研究であるにもかかわらず、実際にUターンした方から行政の支援を直接のきっかけとして地元に戻ってきたという話がほとんど聞かれなかった点です。このことから、行政の役割や関わり方の難しさについて改めて考える機会になりました。

奥村理子さん
インタビューでは、地元に戻るきっかけとして「行政の支援」を挙げる人が少なかったことに驚きました。多くは自分で調べたり、公務員として働きたいと考えたりした結果、地元に戻っていました。そのため、行政が果たすべき役割について改めて考えさせられました。例えば、京都ジョブパークのような支援機関についても、その具体的な内容や、どのように学生の役に立つのかが十分に伝わっていないと感じます。私自身も地元に戻りたい気持ちはありますが、どのような就職先があるのか十分に知らない状況です。地域の企業や就職情報にアクセスしやすくすることが、若者の地元回帰につながるのではないかと感じました。今回の研究は自分自身の状況とも重なり、非常に共感できる内容でした。

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