このたび、本学教員・才木常正教授の研究論文が、国際学術誌『Scientific Reports』(Nature Publishing Group)に掲載されました。
本研究は、水圧環境下という特殊かつ危険な状況で活動するダイバーを安全に見守る高度なモニタリングシステムの開発を目指したものです。才木教授らは、「海水の導電性を利用した簡便で非侵襲な生体電位※計測法」を発明し、これまで心電図や筋電図の計測を可能にしてきました。
本論文では、この独自の計測手法を応用し、まばたきや視線移動といった眼の動きを検出できるかどうかを実験的に検証しました。
実験では、ダイビングマスク内の眼の近傍の皮膚に測定電極を装着し、もう一方の電極をマスク外で海水に接触させる構成としました。この状態で被験者がまばたきや視線移動を行った際に、電極間に生じる生体電位を測定しました。その結果、まばたきや視線移動に応じて生体電位が変化することが確認され、才木教授らが発明した計測方法によって眼電図(EOG)の測定が可能であることが示されました。
さらに、本研究ではこの計測原理を、抵抗と電池からなる単純な電気回路モデルとして理論的に表現し、眼電位が測定可能であることを理論的にも裏付けました。
本成果は、水中作業者の安全管理やレスキュー活動支援技術の高度化に寄与することが期待されます。
※生体電位:心臓や筋肉、目などの体の働きに伴って生じる、ごく微弱な電気信号のこと。
掲載情報
掲載誌:『Scientific Reports』
URL:https://www.nature.com/articles/s41598-026-35528-z