高校生と大学生が能登で被災者支援に参加 ―「次世代へつなぐ支援のバトンプロジェクト」を実施しました―

2025.12.12

2025年11月22日(土)・23日(日)、福知山公立大学地域防災研究センターと大門ゼミ「被災地のリレーチーム」は、京都府立福知山高等学校、本学学生団体の七福ふっこう隊と協働し、石川県七尾市・輪島市・珠洲市において「次世代へつなぐ支援のバトンプロジェクト」を実施しました。本活動には、本学教員3名、大学生15名、高校生6名が参加し、被災地域の住民の方々との交流や現地視察など、多面的な学びと支援を行いました。

このプロジェクトは、被災地のリアルを知り支援のバトンを次世代につなげたいという大学生の強い思いに応えて、高校生が遠方の被災地でボランティアに参加できるよう様々な御尽力をいただいた包括連携校の福知山高校のご理解により実現しました。

■ 被災地の方々との温かな交流

初日には、七尾市中島町の豊川分館で、住民の皆さまと輪投げ大会や懇談会を実施しました。参加した高校生・大学生は、避難所生活や発災直後の状況、地域の方々が日常を取り戻そうとする思いについて直接お話を伺い、災害支援の「現実」と「人のつながり」が持つ力を深く学ぶ機会となりました。

住民の方からは「若い人が来てくれるだけで元気になる」「また来てほしい」といった温かい言葉が寄せられ、世代を超えた交流の意義を感じられる時間となりました。

■ 被災地の現状を“自分の目で見る”視察

23日には輪島市と珠洲市を訪れ、旧輪島朝市周辺や被害の残る地域を視察しました。
高校生・大学生は、海岸隆起や火災跡、傾いた電柱など、報道だけでは分かりにくい被害の痕跡を自分の目で確認し、復旧の難しさや時間のかかる現実を実感しました。

参加者からは「被災地を歩いて初めて、知識と現実の差に気づいた」という声が聞かれ、現地で学ぶことの大切さが改めて示されました。

■ 地域の“集う場”をつくる縁日カフェを開催

七尾市中島町の新町会館では、大学生が中心となり、おでん・綿菓子・お菓子釣りなどを提供する「縁日カフェ」を開催しました。
当日は約30名の来場があり、特に高齢の参加者が多く、思い思いの時間を楽しんでいただくことができました。また会館周辺では、地元の子どもと学生が自然に一緒に遊ぶ場面も見られ、日常の延長線上で生まれる温かな交流が育まれました。

■ プロジェクトを通じた気づきと成果

本プロジェクトを通じて、「若い世代が被災地とつながる『新たな支援の形』が生まれた」「高校生・大学生が、対話と視察を通して災害の現実を主体的に学んだ」「住民と学生の継続的な関わりへの期待が感じられた」といった成果が得られました。

高校生からは、「これからも被災地のためにできることを考えたい」という前向きな感想も寄せられ、次世代へ支援の担い手を広げる第一歩となりました。

■ 今後に向けて

本学では、地域防災研究センターや大門ゼミを中心に、被災地支援を「継続的な学び」として展開していきます。今回得られた学びと課題を踏まえ、今後も地域とともに歩む大学として、次世代の力を活かせる支援のあり方を模索してまいります。

NEWS・TOPICS

カテゴリー別

アーカイブ