2025年11月9日(日)、地域経営学部2年生の演習科目「地域経営研究Ⅱ(2年生ゼミ)」(担当:大谷杏准教授)において、与謝野町内でフィールドワークを実施しました。
今回の訪問の目的は、与謝野町という地域をより深く理解することに加え、フランク・エバンス著、糸井定次・細井忠俊訳『憎悪と和解の大江山―あるイギリス兵捕虜の手記』(彩流社、2009年)に登場する大江山ニッケル鉱山外国人慰霊碑や、書籍内で触れられている鉱山や加悦鉄道の跡地を訪れることにありました。第2次世界大戦中、この地で日本軍の捕虜として過酷な労働を強いられたエバンス氏は、戦後、戦友の霊を弔うために来日し、現在の与謝野町との友好関係の構築に大きく貢献されました。ゼミ生たちは前学期末に同書を輪読・発表しており、今回の訪問は北近畿に残る戦争遺産に直接触れる貴重な機会となるはずでしたが、当日はあいにくの大雨に見舞われ、慰霊碑までたどり着くことができませんでした。
そのため一同は、道の駅「シルクのまち かや」周辺にあるニッケル鉱山の煙突跡を訪れた後、学生は道の駅で待機し、教員が同施設内にある中国人捕虜慰霊碑「日本中国悠久平和友好之碑」と、加悦鉄道の終点跡地である加悦SL広場を確認しました。
その後、路線バスでちりめん街道にある与謝野町観光協会を訪問。地場産業である丹後ちりめんの糸を使ったコースターづくり体験では、学生一人ひとりが選んだ糸や模様で制作を楽しみ、地域の名物「丹後ばらずし」も味わいました。
続いて訪れた旧尾藤家住宅では、ガイドの方の案内のもと内部を見学し、映像資料も視聴しました。丹後ちりめんと尾藤家、加悦鉄道の関わりや、与謝野町のかつての繁栄について理解を深めるとともに、教室での事前学習で得た知識を実地で結びつけることができました。
最後に加悦鉄道資料館を訪れ、実際に使用されていたSLや関連機器、展示資料を見学。訪問した全ての場所を「鉄道」というキーワードで結び付けて学ぶ充実した一日となりました。




