「福知山公立大学STL助成金2025」に採択されたプロジェクトの活動を紹介します。
「アグリサーキュラーデザイン in Fukuchiyama」は、“地域から社会へ、食品ロスを減らしたい!”という想いを持つ学生たちによるプロジェクトです。地域の企業や農家で発生する廃棄ロス(規格外野菜など)を活用し、商品開発やメニューづくり、プロモーションから販売までを事業者と連携して行っています。
活動の背景
きっかけは、株式会社Seasonで年間約1.5トンの規格外万願寺とうがらしが廃棄されていることを知ったことでした。
「この食材を無駄にせず活かしたい」「将来、商品開発に携わりたい」――そんな想いを持つ学生が集まり、6人のメンバーで活動をスタートしました。
この“万願寺とうがらしの廃棄ロス削減”こそが、プロジェクトの原点です。
活動内容・実績
万願寺とうがらしの活用
廃棄されていた万願寺とうがらしを活用した商品の開発とテスト販売を行いました。北近畿新聞や京都新聞などのメディアで紹介され、販路が拡大。結果として年間1.5トンの廃棄ロスを解消しました。
特に「万願成就あめ」は、“満願成就”にかけたネーミングで、持続可能な農業の可能性と夢を持つ人を応援する思いを込めた商品として、本学オープンキャンパスで高校生に配布し、活動を広く知ってもらうきっかけとなりました。
玉ねぎの活用
福知山市三和町の農家で、収穫されないまま廃棄予定だった玉ねぎ約800kgを、学生8人が約4時間かけてすべて収穫しました。その後、「上方人情酒場 ちりとてちん」を運営する株式会社オフィスヒュートと連携し、2024年7月23日~25日に「100円カレー」イベントを開催。1日70食限定で提供されたカレーは連日完売し、地元の高校生や家族連れなどで店内は賑わいました。
また、「なすクラブ」が運営する全7店舗で新メニューの開発にも取り組みました。各店舗につき1〜2種類のメニュー展開をめざし、まず学生が数十種類のメニュー案を出して試作会を実施しました。
試作会では、全店舗の店長・副店長・エリアマネージャーにも参加いただき、プロの視点からアドバイスを受けました。学生らしいアイデアを大切にしつつ、実際の店舗運営に必要な運営コスト(原材料費以外の費用)や価格設定、提供オペレーションについても、活発に意見交換を行いました。
その後、打ち合わせを重ねて価格設定を確定。実際に販売を開始すると、予定を上回るペースで売れ行きが伸び、わずか1週間で約800kg分の玉ねぎを使い切るほどの大好評となりました。
今後の展望
- 「万願寺とうがらし」は総生産量の約2%が廃棄されていることから、そうした廃棄ロスを活用した「万願成就あめ」の商品化・販売を進めていきたい。
- オリーブなど、万願寺とうがらしや玉ねぎ以外の食材ロスにも着目し、新たな商品開発に挑戦することで、地域との連携をさらに強め、「食品ロス削減の輪」を広げていきます。
参加を考えている方へ
「価値がないとされているものに、新たな価値を与える」――それが私たちの活動の軸です。
地域活性化・商品開発・食品ロス削減に関心のある方、ぜひ一緒に活動しましょう!
- お問合せ先 @aguri_circular_design_(Instagram)

