本学大学院地域情報学研究科1年生の田中柊兵さんが、2025年7月にスペインのマラガで開催された国際会議「GECCO2025(Genetic and Evolutionary Computation Conference 2025)」にて研究発表を行いました。GECCOは、遺伝的アルゴリズムなどの進化計算分野において世界的に権威ある国際会議のひとつであり、今回の登壇は、本学大学院生として初めてのこととなります。
さまざまなテーマの中から田中さんが取り組んだのは、進化型多目的最適化と呼ばれる分野。進化型多目的最適化は、複数の相反する目的を持つ最適化問題(多目的最適化問題)を生物進化に着想を得たアルゴリズムで解くことです。今回の発表テーマは多目的最適化問題の性質を分析し、問題の性質と最適化アルゴリズムの性能の関係を調査した研究になります。
学部4年生のとき、「研究するならトップカンファレンスでの採択を狙いたい」と決意し、同分野に精通する畠中利治教授、田中彰一郎助教の指導のもと研究をスタートさせました。
「研究の新規性や他の論文との違いをどう示すかに一番苦労しました」と語る田中さん。英語での論文執筆も初めての挑戦でしたが、試行錯誤を重ね、フルペーパーとして採択されました。
英語での発表も初の経験でしたが、「不思議と緊張はしなかった」と笑顔で振り返ります。会場では、研究者たちから温かいフィードバックも得られ、自信にもつながったとのことです。
他の発表にも積極的に耳を傾け、「大まかな内容は理解できた。気になる発表もあったので、今後は関連論文を読み込んでいきたい」と今後の研究意欲も語ってくれました。
スペイン・マラガでの滞在も、田中さんにとって新鮮な体験の連続だったようです。街歩きや一人で外食したり、研究以外でも多くの刺激を受けました。また、海外の研究者との交流の機会もあり、学会を通じたネットワークづくりも経験できました。
今回の学会参加にあたっては、本学数理・データサイエンスセンターからの旅費支援や、日頃からの田中彰一郎助教、畠中利治教授による指導が後押しとなりました。
現在は、冬に向けた新たな論文執筆に向けて構想中。「今回の研究を発展させた内容が理想だが、まだ終わったばかりなので、じっくり考えていきたい」と次なる挑戦への意欲をにじませます。
「自分も国際学会で発表できた」と語る田中さんの姿は、後輩となる学部生にとって大きな刺激となるのではないでしょうか。
思い切って踏み出した今回の一歩は、世界へと羽ばたく大きな一歩となりました。
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