【インタビュー記事】情報学部の学生が開発 万博会場で献血啓発ゲームを出展

2025.06.13

2025年5月28日から6月1日までの5日間、大阪・関西万博の夢洲会場で開催された「地方創生SDGsフェス」にて、福知山市が「献血と骨髄バンクの支援を広げる都市宣言」を掲げる自治体として、都市宣言についてパネル展示、献血、骨髄バンククイズなどを展示しました。
その展示の中で、福知山市と福知山公立大学情報学部が共同開発した体験型ゲームブースが設置されました。
今回は、情報学部倉本到教授と開発を担った情報学部3年生の石田京造さんに、開発背景から当日の様子、そして学びの成果を伺いました。

万博出展のきっかけは、福知山市からの依頼

――今回の万博出展はどのような経緯で実現したのでしょうか?

倉本教授:きっかけは、2025年3月に福知山市の健康医療課からいただいた出展のご相談でした。ただ、準備期間が非常に短く、学内の対応だけでは難しいと一度はお断りを検討しましたが、学内で呼びかけたところ「開発に意欲のある学生がいる」と石田さんを紹介してもらい、一緒に取り組むことが決まりました。
市は企画段階で大型パネル(幅6 m·高さ2.7 m)や、京都府赤十字血液センターと連携した内容の全体設計を整えており、本学は展示用アプリケーション作成を担当しました。開発は3月末から開始され、4月末にはプロトタイプの完成に漕ぎ着けました。

学生が開発をリード、現場でも活躍

――石田さんは、普段からゲームやプログラムづくりをされていたのですか?

石田さん:大学に入ってから本格的に始めましたが、もともと興味があり、人よりは得意なほうだと思います。今回のお話をいただいたときはびっくりしましたが、いい経験になると思い、ぜひやってみたいと即答しました。

――開発したシステムはどのような内容だったのでしょうか?

倉本教授:献血体験をゲーム形式で行えるコンテンツと、献血や骨髄バンクに関する知識クイズの2つを開発しました。クイズに関しては対応できない仕様もありましたが、ゲーム「血液ファクトリー」に関しては、福知山市のご要望に応じて英語版や子ども向けのイージー版を追加するなど、内容を発展させていきました。

――会場ではどのような役割を担いましたか?

石田さん:主にトラブル対応のために現地に入りました。初日のオープン前に一部不具合が見つかりましたが、開始前に復旧できました。それ以降は大きなトラブルなく5日間を走り切りました。来場者が多かったため、後半は来場者対応も行いました。5日間で約4,500名が福知山市ブースに訪れ、1,000名程の方に僕がつくったゲームで遊んでもらえて嬉しかったです。

実践を通じた成長とこれから

――このプロジェクトで得たものは何ですか?

石田さん:自分の作ったものを実際に多くの人が体験してくれるという機会は、これまでにあまりなかったので、とても嬉しく、やりがいを感じました。開発のスケジュールについては、もっと早く着手できれば良かったという反省もあります。

――今後、地域連携活動はどのように展開していきたいとお考えですか?

倉本教授:今回のように、学生と地域のニーズがうまくマッチすれば、これからも積極的に取り組んでいきたいです。ただ、教員の業務にも限界があるので、学生が主体となり、教員がコーディネート役になるような今回の形も可能性があると思います。

――最後に、福知山公立大学の魅力を教えてください。

石田さん:この大学は、自分のやりたいことに自由に挑戦できる環境があります。主体的に行動したい学生にとっては、すごく良い場所だと思います。

大阪・関西万博という大舞台での挑戦は、学生の成長を大きく後押しする貴重な経験となりました。本学では今後も、地域との連携を通じて学生の実践力を育む取り組みを進めてまいります。

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