教育方針

アドミッションポリシー(入学者受入方針)

教育理念

福知山公立大学は「市民の大学、地域のための大学、世界とともに歩む大学」を基本理念としています。そして、その理念の下、地域経営学部は、地域(ローカル)に根を下ろし、世界(グローバル)にはばたく人材(グローカリスト)育成をめざします。
地域経営学部の各学科は、入学者受入れの方針を以下のように定め、学習意欲の高い学生を募集します。

地域経営学部・地域経営学科

本学科は、再生や変革を通して地域社会の活性化などに貢献する人材育成を目標とし、地域経営の基本を学び、それを社会で実践しようとする意思を持つ方、またはその可能性があると判断できる方を受け入れます。

地域経営学部・医療福祉経営学科

本学科は、認定資格である診療情報管理士の在学中の資格取得をめざし、医療機関・福祉施設の経営に参画する、あるいは医療福祉を通して地域に貢献する意思を持つ方、またはその可能性があると判断できる方を受け入れます。

大学入学までに学習しておくべき教科・科目等

福知山公立大学地域経営学部は、グローカリストの育成にあたり、幅広い教養と基礎学力を身に付けていることを求めます。そのため、大学入学までに学習しておくべき教科・科目等については、特定の教科に偏ることなく学習し、すべての教科における基礎的な学力を望みます。また、資料や文章を読む力やその理解を表す力などの基本的なコミュニケーション能力の習得も望みます。

カリキュラムポリシー(教育課程編成方針)

ディプロマポリシーに基づき、グローカル対応力をもつ地域人財(グローカリスト)を育成するために、下記の4つの側面からカリキュラムを編成し、座学と実践的学修を充実し、学修成果の向上を図る。

地域経営学の体系・知識・知見・技術を学び、地域現場に応用・活用する「知」の総合化*を図ることのできるカリキュラムを編成する。
地域づくりや地域の創り直し、地域の様々な価値や持続可能性の確保・向上に寄与するには、地域の環境・経済・文化を理解し、多様な主体との連携・協働が必要であり、専門的な知見や知識の総合化(地域経営学)が必要である。そこで、共通科目に「地域理解科目」*を配置するとともに、学部内で広く学びを深めることができるように10単位の「選択科目」を設ける。また、主として1〜2年次には語学・一般教養科目群、2〜3年次には全学共通科目、とくに3年次には専門教育科目というように、時系列的に基礎から専門へと、幅広い教養と基礎学力を身につけ、地域経営という専門領域を体系的に学べるように科目を配置し、卒業研究につなげる。

*「知」の総合化とは、現場・地域の課題を、学んだ情報学や地域経営学の理論や手法を駆使して解決できる応用力を身につけること。

*「地域理解科目」とは、両学部の学生が本学の理念と地域を理解するのに必要な、かつ各学部の専門領域の基礎的知見を理解するに必要な科目

持続可能な地域社会の構築に必要かつ特徴的な科目を配したカリキュラムを編成する。
環境共生的で活力ある公共・企業経営、安定した地域運営により、地域の人々が福祉の充実のもとで安心・安全・健康に生活できるような「持続可能な社会」の構築の達成に向けて、とくに学ばなければならない科目を配置する。主として、全学共通科目群や演習系科目群に配置する。

地域の現場で地域の人々との協働を通じて地域の課題解決を図る、実践的学修を中心としたカリキュラムを編成する。
地域社会を支え、地域の再生・創生等に貢献できる人財、またその推進役(キーパーソン)として活躍できる人財を育成するために、「フィールド研究重視の実践的教育システム」としての「地域協働型教育研究」*を全学年で展開し、4年次の卒業論文につなげる。

*「地域協働型教育研究」とは、地域の課題を地域住民とともに、発見、把握・分析、協働、課題解決のプロセスを、現地調査やワークショップをとおして実体験し、理論との結びつきを深く理解させる教育と研究。
本学部の実践的教育システムが「主体的・対話的で深い学び」となるように、学生の自主性を尊重した座学と実践的学修を並行して配置するとともに、グローカル特別講義・演習等、地域貢献やキャリア設計につながるような科目を配置する。

専門領域別に、より高度な知識習得、学修成果の向上を図るカリキュラムを編成する。
学科共通科目を配置して地域経営学の基礎を学ぶ。その上で、地域経営学科では、公共経営、企業経営、交流観光に関する「推奨科目」を設けて専門領域別により高度な知識と実践対応力を高める。

医療福祉経営学科では、地域医療福祉に関わる診療情報管理士を目指す科目を重点的に学ぶとともに、医学・栄養学等の基礎知識、地域医療機関等の経営に資する知識を広く学び実践的対応力を高める。

専門科目群の充実を図るため、両学科の専門科目群各系に「グローカル特別講義」を配置した。また、学部および2学科のカリキュラム内外に資格取得授業(共通専門科目群にグローカル特講等)の充実を図るなどして、資格取得の支援を行い、実務能力の向上にもつなげる。

上記の座学および実践的学修の実施については、次のような学年別指針をもってあたる

初年次:
学びを体験する(体験学修と教養学修の組み合わせおよびフィールドワークの基礎的知識の学修)
2年次:
学びを広げ、地域課題を知る(学修者の関心にそった教養教育の提供、フィールドワークの基礎理論と分析手法の修得、地域の活動体験等を通じて、地域社会の課題の発見、分析、その解決に必要な手法を実践的に学ぶ)。
3年次:
学びを深め、地域課題の解決の方向性を具体化する(演習やグループ学習等による特定の組織・団体等の課題を対象とするPBL(project-based learning:課題解決型学習)や地域協働型実践学修を実施する)。
4年次:
学びをまとめ、成果をだす(個人およびグループ単位でのまとめを行うとともに、卒業論文を個別にまとめることを重視する)。

以上の学修の成果を、演習科目の評価票や試験等の評価基準に基づき、成績を5段階で評価する。

ディプロマポリシー(学位授与方針)

本学では、地域が抱える様々な課題に応えて地域の価値を向上するだけでなく、地域の新たな価値を創造する等、「知の拠点」としての役割を果たしつつ、持続可能で活力ある地域社会をつくりあげることをミッションとしている。
学則において、「地域経営学部は、地域経営学の体系・知識・知見・技術を学び、それらを用いて地域の価値の向上や持続可能な社会の形成に寄与できる人財を育成する」(第5条)と規定している。本学部で学ぶ「地域経営学」は、対象とする地域の特性を理解し、基盤的学術・技術をはじめ協働やガバナンス等による適切な「解」をもって、地域の様々な価値や住民満足度、持続可能性の確保・向上に寄与する統合科学である。この学び・研究・貢献の主な場・地域を福知山市等の北近畿地域とし、地域協働型教育研究を広く深く展開する。
学則に基づき、地域経営学部では、座学や地域協働型教育研究等の学士課程の学びをとおして、グローカル対応力もつ地域人財、すなわち世界(グローバル)と地域(ローカル)をつなぎ、社会・地域を俯瞰的に理解して様々な主体と協働して地域発展に寄与できる次の人財(グローカリスト)の育成に力を入れる。

  • ① 地域実践の基盤となる基礎学力、基礎技術力をもつ人財
  • ② 地域の現実のデータを収集・分析し、地域社会の持続と発展のためのシナリオ作成と評価ができる人財
  • ③ 地域社会の多様な主体に関心をもち、地域経営学の知見や技術を応用・活用して、地域の価値の向上や持続可能な社会の形成に寄与できる人財
  • 学科別に示すと次のようになる
    *地域経営学科は、公共経営、企業経営、交流観光等の分野で活躍できる人財。
    *医療福祉経営学科は、診療情報管理士の資格取得を目指しつつ、医療福祉経営等の分野で活躍できる人財。
    そこで、本学部では次のような学位授与及び学修アウトカムの到達目標をおき、ディプロマポリシーを以下のように定める。

    学科が制定する下記の「学修アウトカムの定義」を基本に、その定義に合致した学修の成果が一定のレベルにあること、及び学修者が所定の単位数を取得していること、を確認した者に、学士(地域経営学)の学位を授与する。

    学修アウトカムの定義

    地域経営学科

    知識

    1. ① 現代の社会経済、市場、あるいは地域内交流の場において、各主体の社会的役割を理解し、地域の問題や課題の発見につなげることができる
    2. ② 世界の動きと連動させつつ、持続可能な社会の基本構造を理解し、地域社会における課題の分析に活用できる

    技能

    1. ① 問題解決のための情報を適切かつ的確に収集・分析することができる
    2. ② 地域のソーシャルデザイン、企業の事業活動、あるいは地域内外の交流の再生・活性化等につながるアクションプランを策定できる

    遂行能力

    1. ① 関係者との連携体制を構築し、現実に即した多様なリーダーシップを意識して使い分けることができる
    2. ② 十分なコミュニケーション能力をもって、多様な意見・価値観を受け止め、効率的な組織運営に寄与することができる

    総合的到達目標

    1. ① 現代社会における公共性を踏まえた共有すべき社会的価値を理解し、地域経営、企業、あるいは地域の交流観光に関する課題の提示あるいは問題の解決に向けた活動ができる
    2. ② 持続可能な社会の構造的理解に基づき、社会的連帯の実現、企業価値の向上、あるいは地域資源の適切な開発に資する実践的活動ができ、PDCAサイクルを活用できる。

    医療福祉経営学科

    知識

    1. ① 診療情報管理士受験に必要な知識、医療機関等の経営に資する知識を理解できる
    2. ② 地域医療福祉の基礎知識や持続可能な社会の基本構造を学び、地域医療福祉の重要性と役割を理解できる

    技能

    1. ① 医療福祉機関、地域医療福祉等の課題を発見できる
    2. ② 課題解決のためのデータ収集・加工・分析を的確に実施し、行動計画を提案できる
    3. ③ 医療職と非医療職間、医療福祉機関と地域住民等の専門知識の非対称性を緩和し、円滑な情報交換を支援できる

    遂行能力

    1. ① 適切な情報を適宜発信し、関係者間の理解を深め、同意を形成できる
    2. ② 他の医療機関職間の共通言語を理解し、業務に活かすことができる
    3. ③ 組織経営、地域経営を円滑に進めるために、リーダーシップとパートナーシップを柔軟に使い分けることができる

    総合的到達目標

    1. ① 医療福祉の知識や持続可能な社会の構造を理解し、地域医療福祉に関わる課題解決のためのアクションプランを策定できる
    2. ② アクションプランの実行と継続的評価・改善を目的としてPDCAサイクルを活用できる

    以上から、地域経営学部が想定する就職先・進路は次のとおりである。国家・地方公務員、銀行・信用金庫、製造業・サービス業・ICT企業等の会社員、企業経営者、病院勤務者、地域やNPO等の推進役、大学院等への進学。

    また、取得資格として次を推奨している。学部共通には、英検、TOEIC、日商簿記、社会調査士、情報処理技術者、ITパスポート等。地域経営学科では、初級地域公共政策士(公共経営系)、ファイナンシャルプランナー(企業経営系)、旅行業務取扱管理者(交流観光系)、また医療福祉経営学科では、診療情報管理士、医学英語検定、医療情報技師である。

    学部・研究科