令和6年能登半島地震 現地活動報告【第27回】

【高大連携「次世代へつなぐ支援のバトンプロジェクト」】

福知山公立大学と福知山高等学校との連携協定に基づき実施しました。

日程

11月22日(土)~23日(日)

参加者

福知山公立大学 大門先生、谷口先生、橋田先生、水口、学生15名
福知山高等学校 生徒6名 教員2名
福知山市民団体 3名

11月22日(土)

  • 七尾市中島町
    (懇談会、豊川分館(指定避難所)視察、仮設住宅へ訪問)

11月23日(日)

  • 輪島市・珠洲市視察、七尾市中島町サロン活動

 

活動①11月22日 豊川分館との交流会(輪投げ大会と懇談会)

  • 懇談会前に地域の方と輪投げ大会に参加させていただき、初対面でも話しやすい雰囲気づくりにつながった。
  • 地域の方と学生が自然に一体となる交流の場が生まれた。
  • 「みなさんに震災の経験を話すことで自身の振り返りになる」と言われた言葉が印象に残った。

活動②11月22日 豊川分館視察(指定避難所)

実際に震災当初から避難所を運営していた方から説明を受ける。

  • 「発災から2日間は避難所運営が極めて多忙で、ほとんど眠れなかった」「当時はとにかく必死だった」といった話から、初動期の過酷さや緊張感が強く伝わってきた。
  • 「この経験をしっかりと後世に伝えていかなければならない」という言葉から、次世代が被災地に関わることの意義を改めて強く感じた。
  • 高校生からは、混乱下の避難生活を支えるさまざまな工夫や、心のケアの重要性を実感したという感想が寄せられた。
  • また、報道だけでは得られない震災の大変さを肌で実感したとの声も多かった。

活動③11月22日 仮設住宅へ訪問

中島町にある仮設住宅へ戸別訪問を実施。(翌日のサロン活動チラシ配り)

  • 仮設住宅の方から「いつもありがとう」「また来てほしい」といった声をかけてもらい、継続的な関わりへの期待を感じることができた。
  • 一方で、サロン活動に関心を示さない方も見受けられ、ニーズや温度差を前提に、無理のない関わり方を工夫する必要性も感じた。
  • 高校生からは、大学生が仮設住宅の方と楽しそうにお話ししている様子を見て、信頼関係の大切さを実感したという声が寄せられた。
  • また、震災から2年が経ち、プレハブの仮設住宅での生活が“当たり前”になっている現状を目にし、本当の意味での復興とは何かを考えるきっかけになったという感想もあった。

活動④11月22日 大学生と高校生との交流会

  • 夕食をみんなで調理したり、クイズ大会を行ったりすることで親睦が深まり、初対面でのフィールドワークには、こうしたアイスブレイクの機会が大切だと学んだ。
  • 高校生からは、高校生になってから大学生と交流するのは初めてで、とても新鮮だったという声があった。
  • また、自分のことは自分でしっかり行い、時には仲間と協力して取り組む大学生の姿を見て、自分もあのようになりたいと感じた、との感想も寄せられた。

活動⑤11月23日 輪島市・珠洲市視察

  • 輪島朝市の旧跡は現在空き地となり、雑草が生い茂っていて一見すると被害がわかりにくいが、よく見ると大きな損壊がそのまま残っており、「現地を見る・歩く」ことでこそ得られる気づきがあった。
  • 高校生からは、実際に自分の目で現状を見られたことで、割れた地面や傾いた建物などから地震の大きさや強さを実感したという声があった。
  • また、発災から2年が経過してもなお被害が残る様子を目にし、復旧の難しさを強く感じたとの感想も寄せられた。

活動⑥11月23日 七尾市中島町サロン活動 (レコードとおしゃべり縁側カフェ&おでん、綿菓子、お菓子釣り)

  • 参加者は約30人といつもより多く、今回は子どもよりも大人の参加が多かった。
  • 今回は企画を子ども向けに限定せず、子どもから大人まで楽しめる内容にしたことが良かった。
  • 高校生からは、参加者は笑顔が多く、みんなで集まって楽しめる機会の大切さを実感したという声が寄せられた。

活動のまとめ

  • 被災地のみなさんから「いつもありがとう」「また来てほしい」といった言葉をいただき、継続的な関係構築の意義を改めて感じることができた。
  • この取り組みは「新たな支援の形」が形成されつつある過程として位置づけられ、被災地支援の担い手を次世代へ広げる第一歩となった。
  • 高校生たちは、災害の現実と自分たちが抱いていたイメージとの差に気づき、「知る」だけではなく「自分の目で見て体験する」ことの重要性を学んだとの声が多かった。
  • また、被災地支援は肉体労働中心という先入観があったところから、人に焦点を当てた交流・居場所づくり型の支援を体験したことで、ボランティア活動への心理的ハードルが下がり、今後もさらに支援活動に参加して元気づけたいという意欲が示された。
  • 大学にとっても、高校生の視点や反応に触れることは、支援の設計や制度を新たな角度から見直す機会となった。

※公益財団法人スポーツ安全協会奨励助成事業

今後の学生ボランティアの予定

12月20日(土)~12月21日(日)

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