地域協働演習「外国人が暮らしやすいまちづくり」
渋谷節子教授、谷岡慎一教授、張明軍准教授が担当するチームの取組テーマは「外国人が暮らしやすいまちづくり」です。地域には、さまざまな国や文化的背景を持つ人々が暮らしています。また、近年、福知山を訪れる外国人の観光客も増加しています。働く人、学ぶ人、家族と生活する人、観光に訪れる人。様々な外国人も、地域社会を支える大切な一員です。一方で、言葉、情報、生活習慣など、まちの中には見えにくい外国人の困りごとがあるかもしれません。この活動では、学生たちが「誰にとっても暮らしやすい地域とは何か」を考えながら、多文化共生のまちづくりについて学びます。
外国人にとっての「分かりにくさ」に目を向ける
学生たちは、行政窓口や外国人が訪れる地域の施設(博物館など)における調査を通じて、外国人が暮らしやすいまちづくりや外国人が利用しやすい施設のあり方について考えます。日本で暮らしたり、活動するうえで必要な情報は、たくさんあります。しかし、日本語を母語としない人にとって、それらの情報を正しく理解することは簡単ではない場合があります。また、言葉だけでなく、制度や文化の違いによって、何に困っているのかが周囲に伝わりにくいこともあります。学生たちは福知山市の多文化共生事業に関わる方々の話を聞き、外国人が訪れる施設で収集するデータを分析し考察することで、外国人にとっての「分かりにくさ」や「届きにくい情報」を明らかにし、外国人にとっての課題やより魅力的な施設について考えていきます。

地域でともに生きるということ
この活動で大切にしているのは、外国人を「支援される人」としてだけ見るのではなく、ともに地域で暮らす人、ともに地域を作る人として捉えることです。外国人が暮らしやすいまちは、高齢者、子育て世帯、転入者、観光客、障害のある人など、多くの人にとっても暮らしやすいまちにつながります。分かりやすい情報発信、訪問しやすい施設、参加しやすい地域活動は、誰にとっても大切です。学生たちは、地域で暮らす、地域を訪れる外国人の声を聞きながら、「外国人が暮らしやすいまちづくり」を通じて、地域全体の暮らしやすさについて考えます。
学生たちが向き合う問い

この活動では、学生たちは次のような問いに向き合います。
「外国人は、地域の施設についてどのような情報を必要としているのか」
「施設で外国人が困りやすい場面はどこにあるのか」
「外国人にとってわかりやすい、魅力的な施設はどのようなものか」
「やさしい日本語や多言語対応は、どのような場面で役立つのか」
「誰もが参加できるまちづくりには、どのような工夫が必要なのか」
こうした問いは、簡単に答えが出るものではありません。だからこそ、学生たちは街の施設を訪れる外国人の行動を分析し、実際の声に耳を傾け、自分たちなりに考えを深めていきます。
この活動では、以下の3つを行います。
- 地域の施設を訪れる外国人の行動を記録し分析することで、外国人が何に興味を持っているか、何に困っているかを考えます。
- 各施設を訪れる外国人に簡単なアンケートに回答してもらい、外国人来場者の感想や要望などを分析します。
- 外国人の目線に立って各施設を観察し、外国人にとっての課題やより魅力的な施設のあり方について考えます。
学びのポイント
この活動で学生が学ぶのは、外国人住民に関する知識だけではありません。
施設の来場者の行動を記録して分析するスキル。
必要な情報を得るための方法を考える力。
相手の立場に立って考える力。
分かりやすく情報を伝える力。
異なる文化や価値観を尊重する姿勢。
多様な人が地域でともに生きる上での課題について考える力。
地域協働演習では、学生が地域の方々と関わりながら、自分とは異なる背景を持つ人の暮らしに目を向けます。その経験は、地域社会を多面的に理解するきっかけになります。

教員の声
「学生には、現場で取得したデータの分析と自らの目で見て考えたことを組み合わせることにより、課題を見つけ、外国人にとってより暮らしやすく魅力的なまちづくりのための工夫を考えてほしいです。」
「地域には多くの外国人がいます。多文化共生を、遠いテーマではなく、地域の暮らしの中にある身近な課題として考えてほしいです。」


