福知山公立大学

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学歌・応援歌

新たなる公【おおやけ】の歌。
〈光よ 雲よ〉/〈はしれ、とべ!〉

作曲家・平野 一郎

「福知山公立大学の学歌と応援歌、作って頂けませんか?」合唱界の名指導者・伊東恵司氏にそんな打診を受けたのは、平成二十九(二〇一七)年のたしか晩春の頃でした。
福知山と言えば、もとはひとつだった丹波・丹後の“国境”。古くは日子坐王(ヒコイマスノミコ)と陸耳御笠(クガミミノミカサ)の伝説から、源頼光(みなもとのよりみつ)と酒呑童子(しゅてんどうじ)の物語まで、重層する鬼伝説に象徴されるように、太古より様々な波動が渦巻き溢れる交差点。そこに建つ大学の、敢えて選ばれたと思われる「公立」の言葉がアツく重い。丹後國宮津に生れ、日本の風土にまこと相応しい調べを探求してきた私にとっては、願ってもないお話でした。

打診を受けた私の中で即座に閃いたコンセプトは、『新たなる公【おおやけ】の歌』。

作曲に先立ってまずは言葉。
作詞は他ならぬ伊東恵司氏。どちらからともなく自然に定まった「光」と「雲」という一対のキーワードを軸に、まずは原案を送って頂き、そのあとは一つ一つの韻・律から種々の用語に至るまで当方からも徹底的に意見・提案・推敲を重ねて、濃密なる協働のもと、静と動・好一対のテクストを織り上げました。

言葉が決まると次は音楽。
目指したのは、明治以来の校歌・応援歌に典型的な軍楽調や、近年よく聞くポピュラー風とも一線を画し、ドミソの和音を使わずして人々の心を直に震わせる調べ。苦難の歴史に育まれた、この地の精神/風土に相応しい(とたしかに感ずる)音を刻み、響きを纏(まと)わせました。

学歌は心。かんじ・おもひ・いのる、観想と思索の音楽。聖歌や声明を想わせる荘重さが本分。
応援歌は体。ふるへ・うごき・をどる、意志と行動の音楽。地を踏み魂を鼓舞する躍動感が本分。

私たちはいつも、どこかの誰かが定めた「正しさ」と、おのおのが世界に触れて得る一つ一つのかけがえない「ほんとう」の間で苦しみます。
多様な価値を平たく均す“普遍性”と、置き換えられない“真正性”——鬩(せめ)ぎあうその両極をおのれの裡に抱き留め、自の中に他を/他の中に自を視て、その閾(しきい)を魂で越えてゆく人と成れるか。これからを担う人々におくる、二つの歌の問いかけです。

学歌・応援歌とも、斉唱または混声四部で、アカペラ、ピアノ伴奏付、簡易伴奏付練習用の三ヴァージョン。第一義的には大学の歌。まずは学生・卒業生・教職員の皆様の心に根付く事こそ大切ですが、ひいては丹波丹後の精神歌として、深く、広くそして永く歌い継がれてゆくことを、作曲者として希っています。

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